会社概要:AI予測で需給管理を自動化
デジタルグリッド株式会社は2017年に設立されたベンチャー企業です。元々は、東京大学特任教授で弊社の創業メンバーの一人でもある阿部力也の「識別された電気をどこでもだれでも自由に取引できる世界(=電気のインターネット化)」という構想が発端となり、研究開発や実証事業を重ねてきました。現在は発電家と需要家が直接売買できるプラットフォーム「デジタルグリッドプラットフォーム(DGP)」を中心に運営する会社となっています。
電気は30分毎に発電量と需要量を一致させる必要があります。両者の乖離が大きくなりすぎてしまうと、最悪の場合、大規模な停電につながる可能性もあります。
近年導入が進む再生可能エネルギーは気象条件に発電量が左右されてしまうため、予測することが非常に困難です。当社はAI技術を駆使することで、発電量の予測精度を高め、需要量との乖離を小さくする技術を有しています。これまで人手で行われることが多かった発電量や需要量の予測や送配電を管理する会社へ予測値を提出する業務を自動化することで、再エネを作る人と再エネが欲しい人を結びつける事業を展開しています。
多様なプレイヤーが自由に電力を取引できる環境を整えることで、限界費用ゼロの再生可能エネルギーが遍く社会に広がる姿を、私たちは“エネルギーの民主化”と呼び、実現に向けた挑戦を続けてまいります。
今回は、弊社が手掛けた3つの事例を紹介します。
事例1:オフサイトコーポレートPPA
「デジタルグリッドプラットフォーム」の活用事例は、敷地外に設置した再エネを供給する場合があります。京セラ様と実施した事業では、従業員の住宅屋根に設置された卒FIT太陽光と野立ての非FIT太陽光から発電された電気を別の場所にある事業所へ供給しました。
事例2:自己託送
「自己託送」制度を活用した再エネ供給も実施しています。ソニー様、FD様と共同で実施した事業では、ソニー敷地外の牛舎の屋根に設置した約400kWの太陽光発電設備で発電したソニーグループの電力を、電力会社の送配電ネットワークを介し、約30km離れたソニーグローバルマニファクチャリング&オペレーションズ株式会社の幸田サイトへ供給(自己託送)することにより、この発電した電力の自家消費を実現しています。
事例3:環境価値の代理調達
再生可能エネルギー等による非化石電源は、発電された電気の他に、CO2 排出を抑えた発電としての環境価値である非化石価値があり、それを分離したものが「非化石証書」です。この非化石証書を購入するための市場が、「非化石価値取引市場」です。
これまで、非化石価値取引市場を利用して非化石証書を購入できるのは小売電気事業者のみでした。それが、2021 年11 月からは、太陽光などの「FIT 電源由来の非化石証書(FIT 非化石証書)」について、一般の電力需要家や仲介事業者が入札に参加できる「再エネ価値取引市場」新設の制度改正がなされました。
デジタルグリッドが企業等の電力需要家の代わりに入札をすることで、脱炭素経営に向けてFIT 非化石価値へのニーズがありながら取引ノウハウのない需要家向けに、手軽にFIT 非化石証書を購入できるサービスを提供しています。
デジタルグリッドの今後の展開
上記のように様々なニーズや事情に合わせてオーダーメイド型でソリューションを構築できるのがデジタルグリッドの強みの一つです。それができるのは、AI技術などのテクノロジーを活用した「電力DX」を、大学での研究をベースに、官庁との実証実験や多くの企業とともに実践してきたことにあります。
今後も、再エネ社会、脱炭素社会に向けて皆様と新たな「事例」を作り上げていきたいと考えております。
この記事の著者
デジタルグリッド株式会社
大野達也
石油元売にて潤滑油営業・原油取引等に従事したのち、経営コンサルにてエネルギー企業の戦略策定や実行支援プロジェクトを経験。2020年4月より現職。
お客様の課題解決に自社サービスがいかにして貢献しうるかを日々模索しています。
石油元売にて潤滑油営業・原油取引等に従事したのち、経営コンサルにてエネルギー企業の戦略策定や実行支援プロジェクトを経験。2020年4月より現職。
お客様の課題解決に自社サービスがいかにして貢献しうるかを日々模索しています。
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