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電気の見える化
株式会社東光高岳

目次

    雷やバチっとする静電気など特殊な電気は別として、一般に私たちが使いたいときに使える電気そのものは眼で見えません。同じインフラ供給でも、上下水道の水は見えますし、ガスは臭いで存在を認識できます。一方、電池のプラスとマイナスを同時に触れてもビリっとこない電気も、電圧が高くなれば近づくだけで人を跳ね飛ばすほどの威力を持ちます。そのため電気は保安や品質の基準が明確に定められ、私たちが存在を気にしなくても安全に利用できるように厳格に管理されています。

    しかし、2000年代に加速した電力の自由化は、電気の存在を気にして行動する新規事業者を増やしました。自由化黎明期では、電力系統に及ぼす自由化の影響は小さく、数字の足し算引き算で事は済んでいましたが、大規模な再生可能エネルギー開発が拡大した至近では、新規事業者は電気の管理者である一般送配電事業者と高品質な電気を安全に維持する視点で、互いに「電圧」や「周波数」といったキーワードで議論できることが求められています。昨年度から開設された需給調整市場や今年度4月から施行された配電事業ライセンス制度に至っては、数多くの電源設備や需要設備を束ねて一般送配電事業者と電力需給の調整を行う事業者もいますし、あるいは都市開発にかかわる事業者も含まれます。


    新規事業者が電力系統における管理業務を効率的に行い、安全性や収益性を確保するためには電気の見える化が必要となります。その電気の見える化を行うことができる電力系統解析ソフトウエアは、世界的に様々なツールが存在します。

    その中でもドイツDIgSILENT社のツールPowerFactoryは、欧州を中心とした多数の使用実績や運用経験に基づき、機能を充実してきており、新規事業者が直面する技術的課題解決に貢献すると期待されています。例えば、図1は送電系統のモデルを示しており、送電系統の1つの設備が停止した時に問題が生じる可能性を色分けしたものです。送電線や変圧器は電気を流せる能力が決まっており、緑の部分は問題なく、黄緑の部分は能力の限界に近付いており、赤い部分はその能力を超えていることを示しています。この場合、設備は数多く存在していますので、1つ1つを停止して確認するのではなく、総当たり計算によって課題を抽出する処理を行っています。また、電力系統の情報を図2のように地図上に表現することもできます。電力系統の運用者が早期に異常を把握し、現場に向かうなど解決に向けて行動することができます。

    【図1 電気の見える化事例】


    【図2 電力系統の地図表示事例】


    では、逆に、電力系統の状態把握ができないとどうなるか。電力系統の設備は電気の流れ易さを示すそれぞれ固有の値を持っており、その電気の流れは物理法則に従って決まります。ところが欧米のように国や地域を跨いで電力取引が活発な場合には、2地点間の電力取引であっても他の国や地域を経由する、つまり、取引上の電気の経路と物理的な実際の経路とが一致しておらず、設備の過負荷に気づかずに大停電となる可能性があります。その実例が、2003年8月14日に発生した北米大停電や同年9月28日に発生したイタリア大停電でした。地球儀でみると北米停電地域もイタリアもちょうど日本より一回りほど小さな大きさで、停電の影響は甚大でした。また、停電に至らずともドイツ国内においては、気象条件によって変動する北部の風力発電群から南部の需要地に電気が送られる際に、物理的な電気の流れを把握できずに発電を急遽調整した事例が発生していました。



    こうした数多くの経験を踏まえて、データ交換や電力系統解析の重要性を認識し、誰もが利用しやすいような工夫によって利便性を高めてきたのが、PowerFactoryです。PowerFactoryは、分散電源を大量に導入する場合の電力系統への影響を詳細に把握できるとともに、API連係(ソフトウエア同士のデータ用インターフェース)によってデータ上の電力系統と実系統とを高度に結び、運用することを可能とします。そのため、新規事業者による新たな発想を生かした社会インフラの構築、そしてまちづくりへの寄与、さらにはグリーントランスフォーメーション(GX)への活用などが期待されています。

    東光高岳は2021年から、PowerFactoryを国内で唯一取扱える販売代理店となりました。こうした電気の見える化を通じて社会便益の向上を目指しております。

    Power Factoryの概要はこちらのウェブサイトよりご覧ください
    https://www.tktk.co.jp/product/other/powerfactory/
    https://www.digsilent.de/

    この記事の著者

    株式会社東光高岳 佐藤 恵一
    株式会社東光高岳
    佐藤 恵一
    GXソリューション事業本部
    電力会社と自治体に勤務後、現職。
    電力会社では変電、給電、配電、海外調査、技術開発に、自治体では防災・環境対策に従事。これらの経験から現職において地域の電力系統利用におけるモノづくり・コトづくりを推進しています。
    GXソリューション事業本部
    電力会社と自治体に勤務後、現職。
    電力会社では変電、給電、配電、海外調査、技術開発に、自治体では防災・環境対策に従事。これらの経験から現職において地域の電力系統利用におけるモノづくり・コトづくりを推進しています。
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