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再エネの大量導入に向けた競争と共創 東急不動産の取組②
東急不動産株式会社

今回は、競争と共創について東急不動産の具体的な取組と方向性について、説明します。

目次

    東急不動産では、4月27日に埼玉県東松山市でのソーラーシェアの実証施設の開設を発表しました。東急不動産ホールディングスグループの理念として、「私たちは、事業活動を通じて社会課題を解決し、ステークホルダーとともに、サステナブルな社会と成長を目指す」事を掲げており、今回の取組では、日本のエネルギー問題と食料問題を同時に解決する為の実証実験施設として開設しました。
    この取組にあたっては、東急不動産一社ではなく、同じ志をもった「人」「会社」「自治体」等、皆で知恵を持ち寄って未来の再エネ、農業について取り組んでいく事をコンセプトとしています。



    具体的には、東急不動産は、場所と資金の提供や、事業ができる環境整備の為の行政や地元との調整を行い、プラットフォームを提供します。


    地域連携施設内イメージ


    このプラットフォームは、実際のソーラーシェアの実証実験とその成果を発表、検証する為のオフィスの場所と地域交流施設を兼ねた地域連携施設で構成されており、再エネと農業の発展と地域連携を行っていきます。
    実証実験や連携する先について、特に制限を設けておらず、申し出があれば内容を協議の上、基本的に誰もが参加できる仕組みとしており、その成果についてはそれぞれの合意により共有できるようにするなど、ステークホルダーの皆さんの共創により、日本の社会課題の解決やそれぞれの事業や地域の為に活かしていける場の提供を行っています。
    この取組は、個社だけではできない事や、個社の知見だけでなく、多くの知恵を集めて未来の為に考えていく仕組みで、皆で共創する事により再エネがより良い方向で広がる事を期待しています。また、参加会社やその他ステークホルダーの方々とこの実証実験を通じて事業連携や協力関係ができて、次のビジネスにつながる事も期待しています。
    そして、各社がより良い再エネビジネスを創る為に、切磋琢磨して競争していければと思っています。



    このように、連携・協力して共創しながら大きな流れをつくって、それをベースに更に各社が競争していく事で再エネ業界全体のレベルが上がっていく事ができれば、日本における再エネ事業を取り巻く環境も変わってくるのではないかと思っています。
    個社の利益確保の為に皆で競い合う時代は、FITの終了と同時に終わったと思っています。国が今まで以上の大きな支援を再エネにすることはありません。日本における再エネを普及させて大きなマーケットを作っていく為には、個々人の利益と共に全体を発展させていく想いのもった、会社や自治体などが集まって成長させて、それぞれの利益が最大化になるように皆で考えていく必要があると思っています。
    再エネに対する世間からの見え方も、国においては、太陽光発電設備などの再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理に向けた施策の方向性を議論することを目的として、経済産業省・農林水産省・国土交通省・環境省が共同事務局となり、「再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理のあり方に関する検討会」が発足されるなど、より厳しい目が向けられています。我々、発電事業者がより良い発電所建設に向けて、災害防止や地域との共生等の規律を高めていくべきですが、残念ながら国の管理の元にいろいろな規制が入る展開になりそうです。
    本来であれば、我々発電事業者から様々な事を発信して、規律を作っていく事ができれば良いと思っていますが、FITにより急激に増加した様々な事業者を束ねて規律を作っていく事が現状ではできていません。
    また、急激に拡大してきた中で、企業においても、自治体においても、知見や人的リソースなどがまだまだ不足しています。このことも課題を生んでしまっている大きな原因だと思います。あくまで再エネ事業は、長期に亘り積み上げていくことで日本や地域のエネルギー自給率の向上に寄与できるものです。我々発電事業者はその覚悟と責任を持って、目先の利益だけにとらわれず、協力して知見や技術を高めながら地域と信頼関係を築くことができる事業に取り組む必要があります。
    このような状況においては、FOUREのように、企業と自治体、企業同士、自治体同士がお互いの為に協力する精神をもって、地域の再エネ導入促進、脱炭素化推進に取り組んでいく活動が益々重要になってきます。個社、個自治体、個地域だけでは難しいことも、仲間が知恵を出し合えば必ず解決策が見えてきます。また、お互いが競争力も高め合いながら、再エネ事業をきっかけに、地域での新たな事業分野への展開も広げていくことができます。
    当社もより良い事業を創出する為に、広くオープンに共創の取組を進めていきたいと思います。是非、皆で知恵を出し合い、生まれてくる新しい共創の輪を広げて社会に貢献し、再エネ業界全体を発展させていきましょう。

    この記事の著者

    東急不動産株式会社 西田 恵介
    東急不動産株式会社
    西田 恵介
    戦略事業ユニット インフラ・インダストリー事業本部
    執行役員 本部長

    一般社団法人再生可能エネルギー地域活性協会(FOURE)
    幹事長
    戦略事業ユニット インフラ・インダストリー事業本部
    執行役員 本部長

    一般社団法人再生可能エネルギー地域活性協会(FOURE)
    幹事長
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