素材と向き合い誠実に料理するなかで想いをともにできる農家さんと出会い、私のフィールドワークが始まりました。畑を訪れ農家さんと対話することはもちろん、商品開発やイベントなど、今ではライフワークとも言える活動の一部を紹介します。これまでの知見を活かし、FOUREで活動できる日が来ることを楽しみにしています。
料理人として持ち続けたい自然へのリスペクト
レストランで提供する食材はすべて自然の恵み。だから、料理人である我々は、自然への感謝を忘れてはならないと考えています。私自身は20年以上前から、レストランの枠から飛び出してさまざまな活動を続けてきました。本業への相乗効果もあり、これからも私のライフワークとして「食」「自然」「地域活性」は、欠かすことのできないテーマだと思っています。
食を切り口にした活動 〜商品開発や食育活動など〜
これまでの具体的な事例をご紹介します。
1.地産地消 学校給食
地域行政から依頼を受け、生産者と地域の子どもをつなぐ活動の一環で地域食材を使った給食のレシピづくりを担当。給食提供時には学校を回り、子どもたちの反応を確認したり、父兄向けの食育に関する講演会を実施しました。
2.農作物の価値づくり
味や品質は同じでも、サイズが少し小さいだけで価値がないものとして扱われる農作物がたくさんあります。例えば、クレソンは5〜10月頃に収穫される20〜30cmのものが市場に出回ります。それ以外の時期は7〜8cmほどしか育ちませんが、それを「マイクロクレソン」と名付け、新しい価値のある野菜として都内のレストランに販売。農家さんは自ら値付けできるため、通常のクレソンより高値で取り引きされることになり、「マイクロクレソン」による収益づくりが実現しました。多くの食材を扱う料理人の視点で、農家さんへのフィードバックやブランディングをした事例の一つです。
3.加工品開発
農作物を使った加工品づくりをしています。例えば、キクイモのシリアルをつくりました。キクイモは冬に収穫される野菜で、最近は血糖値の上昇を抑えるスーパーフードとして注目されています。農作物は不作だと困りますが、採れ過ぎると値崩れするという微妙なバランスの上にあるものです。そこで、たくさん採れる時期に乾燥させてチップス状に加工、シリアルと組み合わせて新しい価値づくりを企画しました。加工のためのレシピ開発だけでなく、企画づくりから取り組んだ事例の一つです。
その他、食や自然環境をテーマにした講演、講習活動なども積極的に行っています。
まとめ
日本には地域ごとに、豊かな農作物があり、食文化が息づいています。地域の食材や個性を尊重しつつ、これまでの経験を活かした新しい取り組みにもチャレンジしていきたいと考えています。食は私たちの身近にあり、暮らしの豊かさにも大きく影響を与えています。食を通じた取り組みにより地域に貢献し、その町が住みやすくなる、より良くなる、より魅力的になる……、そんなプロジェクトのお役に立つことができれば幸いです。
この記事の著者
株式会社モデルノ
RISTORANTE DA FIORE リストランテ・ダ・フィオーレ 眞中秀幸
茨城県潮来市出身。2003年に株式会社モデルノを設立、東京表参道に「RISTORANTE DA FIORE 」を、2011年に表参道に2号店となる「RESTAURANT GERMOGLIO」をオープン。オーナーシェフとしてレストランに立つ傍ら、「DA FIORE料理サロン」にて料理教室、生産者訪問など食を通した地域活動や自然環境と食をテーマにした講演活動などを20年以上続けている。2014年「いばらき大使(現)いばらき食のアンバサダー」2015年に「水郷いたこ大使」に就任。
茨城県潮来市出身。2003年に株式会社モデルノを設立、東京表参道に「RISTORANTE DA FIORE 」を、2011年に表参道に2号店となる「RESTAURANT GERMOGLIO」をオープン。オーナーシェフとしてレストランに立つ傍ら、「DA FIORE料理サロン」にて料理教室、生産者訪問など食を通した地域活動や自然環境と食をテーマにした講演活動などを20年以上続けている。2014年「いばらき大使(現)いばらき食のアンバサダー」2015年に「水郷いたこ大使」に就任。
コメントを投稿するにはログインしてください。