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地域脱炭素を実現する5つの方法
株式会社Looop

目次

    2021年6月に環境省が地域脱炭素ロードマップを発表して以後、全国の自治体での脱炭素へ向けた取り組みが加速しているように見受けられます。Looopにもいくつかお問い合わせをいただいていますが、皆様とても熱心で具体性のある問い合わせが多いと感じています。

    ただし、これから検討を始められる自治体もまだ多くいらっしゃることや、異動などで脱炭素に初めて取り組まれる方も毎年出てこられると想定し、現時点で可能な脱炭素の方策をまとめておくことに意味があるだろうと思われます。

    「お品書き」は以下の5つです。
    1.公共施設へ再エネ100%電力を供給
    2.再エネ設備の導入(太陽光自家消費/野立て太陽光発電所の設置)
    3.電力使用の最適化(蓄電設備の設置/エネルギーマネジメントシステムの導入)
    4.エネルギーの地域内循環(地域新電力の設立/マイクログリッド(分散型セル)の構築)
    5.施策定量評価・脱炭素の取り組みの対外発信(施策効果把握のためのPDCAツールの開発/市民の再エネ活用、省エネ進展のサポート)

    公共施設へ再エネ100%電力を供給


    非化石証書などを使った実質再エネメニューを提供している電力会社は多くあります。電力の契約を変えるだけで、新たな設備導入も必要ないことから、最も導入がしやすい施策です。需要家を多く抱える都市部の自治体が、再エネを導入する際に活用していただくと有効な施策です。

    再エネ設備の導入


    「再エネの導入」といったときに一般的に想像しやすい施策がこちらでしょう。文字通り、再エネの発電施設を建物の屋根に設置し、建物内で使う電力の全部または一部を再エネに変更します。また、屋根上だけでなく、耕作放棄地などの遊休地に野立ての太陽光発電所を建てるなどをすると、再エネの総量が増える、「追加性」のある施策となります。

    電力使用の最適化(蓄電設備/エネルギーマネジメントシステムの導入)


    ゼロカーボン達成のためには、再エネの最大普及に加えて、需要家のリソースを活用し、調整力を確保したり、社会全体でのアセット活用を効率化することも求められます。エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入によって、照明や空調など建物内での電力の使用状況をリアルタイムで「見える化」させ、次に生産機器や自家用発電機等の制御を行うことで、エネルギー使用状況の最適化を図ります。



    図の解説:自家消費型PPAや補助金活用による蓄電池を用いてEMSを導入し「ピークシフト」をすることで、より効率的なエネルギー使用を実現可能。

    エネルギーの地域内循環(地域新電力の設立/マイクログリッド(分散型セル)の構築


    地域新電力の設立は、地方創生の手段としても注目されています。電力を仕入れて住民に販売することで自治体が収入を得られるだけでなく、自治体独自の特色あるメニューで地域の活性化を図ることも可能です。ちなみにLooopが千葉県銚子市と共に立ち上げた銚子電力は、子育て世代応援プランを打ち出し、住民が銚子市に定着して済み続けることを促すプランを提供しています。

    また、エネルギーを地産地消するマイクログリッドを構築することは日本のエネルギーインフラの刷新に大きな意味を持ちます。背景には、いわゆる「送電網の問題」があります。日本の電力の多くは遠隔地で発電し、長い送電網を通じて需要地に送って消費しています。この送電網に流し込める再エネの量には限りがあり、再エネ普及を阻む課題のひとつとなっています。

    Looopが2020年12月よりさいたま市で運用を開始するスマートシティのためのエネルギーマネジメントシステム「エネプラザ」は、地域内で発電した電力で需要の60%を賄う地産地消型の次世代インフラです。さいたま市の導入第一号案件は51戸の住宅を対象とした小さなマイクログリッドですが、このようなコミュニティがどんどん増えていくと、前述の送電網の問題は解消します。


    施策定量評価・脱炭素の取り組みの対外発信(施策効果把握のためのPDCAツールの開発/市民の再エネ活用、省エネ進展のサポート)


    脱炭素の取り組みを説明責任を果たしながら長期的に行うためには、経年でデータを管理し、成果を定量的に評価する仕組みを構築することも重要になってくるでしょう。複数年にわたる気象条件や自治体データ(世帯数、業務用床面積、車両台数等)と紐づけし、温暖化施策の指標(太陽光導入量等)と合わせて、データを管理する仕組みの研究・構築が産学連携で行われています。

    ちなみに、Looopは再エネの発電から小売まで「創る」「コントロールする」「届ける」機能を一気通貫で保有しており、上記お品書きの中からそれぞれの地域の実情に合わせた脱炭素の取り組みを提案することができます。ご関心をいただけましたら、ぜひお問い合わせください。

    この記事の著者

    株式会社Looop 竹谷真紀子
    株式会社Looop
    竹谷真紀子
    2020年1月よりLooop広報。「コミュニケーションの力で世界を変える」を目標に、通販業界から転身。再生可能エネルギーの最大普及に挑戦中。
    2020年1月よりLooop広報。「コミュニケーションの力で世界を変える」を目標に、通販業界から転身。再生可能エネルギーの最大普及に挑戦中。
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